リファクタリングウェットウェア:7章 集中のコントロール
集中のコントロール
Lモードのツブヤキや他に注意を奪うものに注意力を奪われない状態を「リラックスした覚醒状態」と呼ぶ。
この状態こそがもっとも集中力が持続している状態である。
一度この状態になれば、注意力は1日中続くものである。
瞑想は「リラックスした覚醒状態」を作り出す最良の行為である。瞑想の方法は
気が散らず、邪魔も入らない静かな場所を見つける。
楽な姿勢で座る。少し時間を取って体のどこかに緊張が残っていないかを探り、残っていたらそこをリラックスさせる。
目を閉じ、自分の呼吸に意識を集中する。空気が体に入り、出て行く小さな一点に集中する。
呼吸を意識しつづける。何かの考えを言葉にしてはいけない。自分自身との会話を始めてもダメ。
呼吸が乱れたり自分との会話に気づいたら、静かに呼吸に意識を戻す。
何度も注意が逸れてしまっても、逸れてしまったことに気づいて自分自身を連れ戻すという練習が役に立つ。
瞑想とはいわば、Lモードのツブヤキなどに注意力を削がれたときに、もとのあるべき方向へ注意力を戻すトレーニングである。
集中のために集中をぼかす
Rモードに仕事をさせるために、「何もしていない」ではなく「何もしないことをしている」状態を作ることが必要である。
意識してするべきことに取り組むのではなく、なにか別のささいなことにLモードを使うことによりRモードを活発化させる。
知識の管理
要するに、記憶するするくらいなら紙に書けと。このあたりはGTDと同じ考え。 コンテキストスイッチング
マルチタスク処理は生産性が下がる(20〜40%も下がる!)。
ここでいうマルチタスクとは、抽象レベルが異なる作業を複数同時に行うこと。
ソースコードの複数のバグを同時に直すのはマルチタスクではなく、無関係なメールや電話への応答、ニュースサイト閲覧などのことである。
いったんマルチタスクになりコンテキストがリセットされると、その情報が呼び戻されるのに平均20分かかる。
コンテキストスイッチングを起こさないためには、気の散る要員を避けるのが一番である。
遊びようのSpacesを用意するのも手であるし、GTDでも言われている通り、自分のするべきことをすべて書き出しておくのも重要である。
可能ならば、メール受信を制限する時間を設けるなどの対策もある。
焦点の定まった状態を維持する
Lモードのツブヤキを沈める方法を習得する。
発展中の考えについて、意識的に取り組み、考えを追加している。
コンテキストの切り替えがいかに高く付くものかを理解し、あらゆる形で切り替えを避ける。